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全壊でも戻りたい

「全壊でも戻りたい」に応える


このたび、中越沖地震で全壊と判定された家の修復工事が終わりました。
柏崎市にある海べりに近い住宅。よろい貼りされた板壁、黒光する瓦屋根の築100年以上の建物は、海から吹き上げてくる季節風に耐えるために、きちんと考えて、先代がつくったものです。しかし、地震によって床はガタガタになり、壁は落ち、建具は割れ・・・という大変な状況になっていました。

古い民家、厳しい新潟の気候風土に耐え抜いた民家には、いろいろな思い出と知恵がいっぱい詰まっている。家族の人数や暮らし向きが、ときどきに変わりながらも、住み継ぐという知恵。 建具を変幻自在な間仕切りにして使うという発想はまさに日本建築のよさである。 そして南側の高いところには目からウロコものの高窓。薄暗い冬でもあかりを招き、夏は吹き抜けのようにして、高いところから熱気を抜く。究極のエコロジーの発想が、そこにはあるのです。

それが「全壊住宅」になってしまった・・・。
ご被災された方の話を丁寧にきき、建物の図面をとり、柱の沈下、傾斜、損傷の程度、地盤の状況を調べ修復方法を検討する。そして耐震補強計画をたてて、見積もり。これが準備段階。
そして実際の工事では、柱や梁の接合部を引き寄せ、縫い付ける。腐った土台など悪いところは取り換える。外周部を耐力壁で固める。そして開放的な茶の間3本引きの建具のところは、そのデザインと使い勝手を考えて、ふすま2枚分の厚さで耐力壁をつくりました。
また南の縁側の採光を最大限生かしながら、柱も立てて、ここにも耐力壁と小さなくぐりのような扉をつけました。そして玄関正面には100年の歴史を語る黒光りする差し鴨居がお出迎え。
古い家も先人の仕事の痕跡をよみながら、直していくといろいろな発見もあり、新しい家を、ただ自分たちの技術だけでつくりあげることとは、違う楽しみもあるもの。まるで、100年前の匠人たちと会話をしているような気持にもなるような、民家の修復再生工事でした。

突然襲い来る自然災害。そして全壊という状況の中、被災前よりも安心快適にという私たち修復支援ネットワークに相談を受けて半年。 仮設住宅にもお世話にならず、おかげさまで住みなれた家に、普通の生活に戻ることができましたと、穏やかに語るお客様の喜びの声にも、勇気づけられた仕事になりました。
赤澤邸完成01
赤澤邸完成02
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謹賀新年

謹賀新年
本年もよろしく御願い申し上げます。

昨年7月16日中越沖地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
焦らず、慌てず、諦めず少しでも痛みの少ない復興をお手伝い出来ればと、仕事始めより柏崎方面へ応急修理に出掛けております。
お住まいが木造であれば、修復の手を入れることが容易です。震災で土壁が落ち柱が傾いてもきちんと修復することで、住み続ける事ができます。住み慣れた我が家も解体すれば廃棄物となってしまいます。急いで解体を決める前に是非、修復再生をご検討下さい。
私共は「伝統の技を現代に生かす」家づくり、”木”の持つエネルギーを最大限に生かすことに取り組んでおります。  今後ともよろしく御願い申し上げます。

年末に降った雪は、雨とお日様でずいぶん減りました。しかし、これからが冬本番です。
皆様、体調には十分気をつけてお過ごし下さい。
年末用